ZEROロケットゼロ
ZEROロケットとは
ZEROは「インターステラ・テクノロジーズ」が開発中の小型液体ロケットです。インターステラ・テクノロジーズは、エンジニア・ジャーナリスト・作家・投資家など様々な有志により創設された日本の宇宙開発ベンチャー企業です。現在すでに観測ロケット「MOMO」を開発・運用中で、民間宇宙ベンチャーでは国内初、世界では4番目に液体ロケットによる宇宙空間到達を成し遂げています。
ZEROは、低軌道打ち上げ能力150kgを目標に開発が進められていましたが、市場動向を鑑み、低軌道に800kg・太陽同期軌道に250kgのペイロードを投入可能なロケットを開発する事に変更されました。当初ZERO初号機の打ち上げは2024年度に予定されていましたが、延期される可能性があります。
COSMOSエンジン
ZEROの特徴の1つとして、液化メタン(≒LNG)エンジンを全段に採用している事があります。Hー2A・H3ロケット等の推進剤に使用されている液体水素と比較して、液化メタンは圧倒的に安価な推進剤です。
ZEROは第1段ロケット部分に、独自開発している推力13トンの液化メタンエンジンを9基を装着します。推進剤が低コストな他、コア技術の内製化・3Dプリンタの活用等々で、一回あたりの打ち上げ費用を8億円以下に抑える事を目標に、開発が続けられています。
北海道スペースポート
ZEROは北海道の太平洋沿岸にある大樹町、その海辺の宇宙港「北海道スペースポート」(略称:HOSPO)から打ち上げられます。HOSPOは宇宙版シリコンバレーを目指して順次拡大・整備中で、ZERO用の打ち上げ拠点「Launch Complex-1」が2023年度完工を目指して建設中です。さらに年間50回の打ち上げが可能な「Launch Complex-2]の整備計画もあります。
北海道そして大樹町は宇宙開発振興にとても積極であり、ISTと連携して成長していくことが期待されています。
ZEROロケットの性能、及び類似ロケットとの比較
機体名 | ZERO | カイロス | イプシロン |
---|---|---|---|
開発国 [運用主体] | 日本 [インターステラ・テクノロジーズ] | 日本 [スペースワン] | 日本 [JAXA・IA] |
運用状況 [運用期間] | 開発中 | 開発中 | 運用中 [2013年~] |
重量 | 71トン | 23トン | 95トン |
打ち上げ費用 [推定値] | 8億円 | 10億円(試験初号機) | 30億円~ |
成功率 | -% [0回/0回] | 0% [0回/1回] | 83% [5回/6回] |
打ち上げ能力 [低軌道] |
0.80トン | 0.24トン [高度300km] | 1.2トン [高度250*500km] |
打ち上げ能力 [太陽同期軌道] |
0.25トン | 0.15トン [高度500km] | 0.6トン [高度500km] |
打ち上げ能力 [静止遷移軌道] | - | - | - |
備考 | 2024年3月31日時点 打ち上げ能力は将来最大能力 | 2024年3月31日時点 |