風神・雷神・長友FuJin RaiJin NagaTomo
風神・雷神・長友とは
「風神」「雷神」「長友」は日本の宇宙開発ベンチャー企業「スペースウォーカー」社が開発中のスペースプレーンシリーズです。
「風神」は宇宙での無人実験用スペースプレーンです。機体上部に小型実験装置を搭載して高度150kmまで上昇、宇宙空間で無人実験を実施することが出来ます。「雷神」は「風神」と同型機ですが、機体上部に小型の使い捨てロケットを搭載しています。高高度で小型ロケットを分離・飛翔させて、高度700kmの太陽同期軌道へ200kgの小型衛星を投入することが可能です。両機とも初号機打ち上げは2027年が予定されています。。
「長友」は風神・雷神と同規模の機体ですが、こちらは有人仕様となっています。搭載燃料やエンジン数が減っていますが、パイロット2名・乗客6名の計8名を乗せて宇宙空間を飛行する事ができます。初号機打ち上げは2029年が予定されています。
LE-8の系譜を受け継ぐ
このスペースプレーンで注目されるのは、搭載が予定されているLNGエンジンです。石川島播磨重工業(通称:IHI)が開発を担当しているLNGエンジンは、過去に開発されたLNGエンジン「LE-8」に連なるエンジンです。「LE-8」はGXロケットへの採用を目指して開発されていましたが、GXロケット開発計画自体が中止されていた為、日の目を見ることはなかったエンジンです。
ロケットエンジンに使用される推進剤は液体水素やケロシンが使用される事が多いのですが、LNGを燃料とする宇宙機用エンジンは価格・低公害性・再利用性・宇宙空間での低揮発性などが評価されている、次世代ロケットエンジンの1つとされています。スペースウォーカー社のスペースプレーンにより、その技術が日の目を見る事になるかもしれません。LNGエンジンを搭載した試験機「WIRES#15」は2025年から2026年にかけてドイツで試験飛行の予定です。
スケジュール
- 2025年
- LNGエンジン搭載実証機WIRES#15テスト飛行
- 2027年
- スペースプレーン風神初飛行
- 2027年
- スペースプレーン雷神初飛行
- 2029年
- スペースプレーン長友初飛行
スペースプレーン雷神の性能と小型ロケットの比較
機体名 | 雷神 | カイロス | イプシロン |
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開発国 [運用主体] | 日本 [スペースウォーカー] | 日本 [スペースワン] | 日本 [JAXA・IA] |
運用状況 [運用期間] | 開発中 | 開発中 | 運用中 [2013年~] |
重量 | 54トン | 23トン | 95トン |
打ち上げ費用 [推定値] | - | - | 30億円~ |
成功率 | -% [0回/0回] | -% [0回/0回] | 83% [5回/6回] |
打ち上げ能力 [低軌道] |
- | 0.24トン [高度300km] | 1.2トン [高度250*500km] |
打ち上げ能力 [太陽同期軌道] |
0.2トン [高度700km] | 0.15トン [高度500km] | 0.6トン [高度500km] |
打ち上げ能力 [静止遷移軌道] | - | - | - |