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小惑星探査機 はやぶさ2HAYABUSA-2

はやぶさ2とは

はやぶさ2は、日本の宇宙開発研究機構(JAXA)が開発・運用中の「小惑星探査機」です。世界初の小惑星探査・サンプルリターンを成功させた「はやぶさ」の後継ミッションとなります。初代はやぶさは様々な成功を収めたものの、トラブルが多く、十分な試料を持ちかえる事はできませんでした。(但し、様々なトラブルを準備・技術・工夫により乗り越えた事により、宇宙開発ファンに大人気の探査機です)

はやぶさ2は、初代はやぶさの開発・運用経験をフィードバックし製作された探査機です。惑星間探査技術の向上・衝突体の天体衝突実証・小惑星サンプルを地球に持ち帰り調査する事など、様々な目的をもって計画されたはやぶさ2は2014年12月03日、Hー2Aロケット26号機で打ち上げられました。

小惑星りゅうぐうとは

小惑星とは、地球と同じように太陽の周りを回っている小さな惑星の事です。地球の直径は12,700km程ありますが、はやぶさ2の探査目標である「りゅうぐう」の直径はわずか900m程です。太陽系にはこの様な小惑星が無数にあり、太陽系が生まれた頃の姿が今も残されている可能性があります。りゅうぐうを調べる事で、水や生命の起源の一端を解明する事が期待されています。

りゅうぐう探査とサンプル採取、そして地球帰還

はやぶさ2は、イオンエンジンという低推力ではあるが、極めて燃費の良い電気推進エンジンμ10(改良型)を継続的に稼働させ2018年06月、小惑星りゅうぐう近傍に到着しました。りゅうぐう到着後、2機の超小型探査機の分離・着陸に成功、さらに着陸の目印としてターゲットマーカーを分離・降下させ着陸の準備が順調にすすめられました。

さまざまな遠隔観察を行った後の2019年02月、はやぶさ2は小惑星りゅうぐうにタッチダウン(≒着陸)、サンプル採取に成功しました。さらに2019年10月、衝突装置(インパクタ)を高速でぶつけて、直径約18mの人工クレーター生成にも成功。露呈した内部物質が多く堆積しているポイントに、はやぶさ2を再降下させ、りゅうぐう内部物質のサンプル採取にも成功。2019年12月、探査を終えたはやぶさ2は地球帰還の途に就きました。

2020年12月、はやぶさ2は地球近傍に帰還。サンプルを格納した突入カプセルを、オーストラリアのウーメラ砂漠に降下させる事に成功。なお、回収できたサンプル量は5.4gと目標値の50倍以上でした。採取されたりゅうぐうのサンプルは解析が進められ、はやぶさ2の主要目的である小惑星の物質科学的特性を調べる事にも成功しました。はやぶさ2は全ての目標を完全に達成し、大成功を収めました。

続くミッション

2024年現在、はやぶさ2は小惑星りゅうぐうのサンプルを地球に降下させた後に、拡張ミッションとして選定された小惑星「1998KY26」探査を実施すべく航行中です。1998KY26はわずか直径約30mの微小小惑星で、自転周期が約10分ととても速い天体です。これらの微小小惑星は、100年~1000年に一度の割合で地球に衝突すると考えられており、その探査はプラネタリーディフェンス(地球防衛)に役立つものと期待されています。

はやぶさ2は、着陸用のターゲットマーカー1個とサンプル採取用の弾丸、プロジェクトタイルを残しており、タッチダウンする事も検討されています。(サンプル採取はしません)

月や火星探査ではアメリカを初めとする、宇宙開発先進国に後れを取っている日本ですが、小惑星探査は日本が先頭グループにいると言っても過言ではないでしょう。そして、これらの開発データは後継ミッションである「火星衛星探査計画MMX」へと引き継がれていきます。

UPDATE:2024年4月7日

ミッションスケジュール

2014年12月03日
Hー2Aロケット26号機で打ち上げ
2018年06月27日
小惑星りゅうぐう近傍に到着
2019年02月22日
第1回着陸、及びサンプル採取に成功
2019年04月05日
人工クレーター生成に成功
2019年07月11日
第2回着陸、及びサンプル採取に成功
2019年11月13日
りゅうぐう出発
2020年12月05日
地球に帰還、サンプルを地球降下させる事に成功
はやぶさ2は小惑星「1998KY26」に向けて出発
2026年07月
小惑星2001CC21をフライバイ
2027年12月
地球をスイングバイ
2028年06月
地球をスイングバイ
2031年07月
小惑星1998KY26に到着

主な参考ページ

宇宙探査機

人工衛星

宇宙船

宇宙ステーション