HTV-Xエイチ・ティー・ブイ・エックス
HTV-Xとは?

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HTV-Xは、日本の宇宙航空研究開発機構[JAXA]が開発している新型宇宙ステーション補給機で、これまで使用されてきたHTV[通称:こうのとり]を発展・改良した無人宇宙船です。
主任務はHTVと同じく国際宇宙ステーション[ISS]への補給ですが、様々な改良が施されています。まずドッキング機能が改良されています。HTVではISSへドッキングする場合は、HTVがISS近傍に到着後、宇宙飛行士がロボットアームでHTVをISSへ手動でドッキングさせる方法を取っていました。HTV-Xでは手動方式に加えて、国際標準に合致した自動ドッキング機能が追加されています。自動ドッキング機能のテストはHTV-X2号機で行われる予定です。
他にはも物資輸送能力が約4トンから約6トンまで増強され、地上での物資積込の利便性向上、軌道上で様々な実験を行う機能が追加されている他、各モジュールを独立稼働せる事を可能にしている為、将来の発展性も確保しています。
HTV-X初号機は2022年度に、新型主力ロケット「H3」によって打ち上げられ、ISSへの物資補給を行う予定です。但しH3ロケットの開発遅延に伴い、延期される可能性があります。
HTV-Xの将来任務構想
HTV-Xは、2026年以降に月軌道上に建設される月周回有人拠点[Gateway]への物資補給も想定されています。しかし、H3ロケットでは巨大なHTV-Xを月軌道まで輸送する能力が不足する為、以下の3つの方法が検討されています。
- HTV-Xを2分割し、H3ロケット2機で打ち上げ→地球軌道上でHTV-Xをドッキング→月軌道へ
- 米国の大型ロケットで打ち上げ→月軌道へ
- H3ロケット増強型を開発して打ち上げ→月軌道へ