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月極域探査ミッションLUPEX

月極域探査ミッションとは?

月極域探査ミッションは、日本の宇宙航空研究開発機構[通称:JAXA]とインド宇宙開発機関[通称:ISRO]が、月面の南極地域を探査する意欲的な国際共同計画です。月面に着陸してローバー(無人月面車)を走らせ各種探査を行います。JAXAは打ち上げロケットとローバーの開発を担当し、ISROは月面着陸機の開発を担当します。

なぜ月の南極を探査するのか?それは月にある、水を探す為です。月面開発において、水はいくらあっても困らない大変重要な資源です。飲み水や建造物の資材になりますし、電気分解して水素を取り出せばロケットの燃料にもなります。

月面は見る限り、砂と岩しかありません。しかし月が形成されてから数十億年という長い期間の間に、氷を含む小惑星や彗星が衝突したりして、大量の氷が月にもたらされたと考えられています。しかし月には地球のような大気層が無い為、昼はプラス110℃、夜はマイナス170℃と大変厳しい環境です。当然、そこに氷があったとしても太陽が当たる昼には蒸発して無くなってしまいます。

そこで注目されるのが、月の南極地域にある太陽が当たらない「永久影地域」という場所です。「永久影地域」は太陽が当たらず常に夜の状態なので、氷が蒸発せず今も残っている可能性があるのです。月極域探査ミッションは、この「永久影地域」へローバーを走らせ氷を探す事が主探査目的なのです。

これまで世界各国の月探査機のデータから、水がありそうなデータは得られていますが、実際に確認したケースはありません。もし水が確認されれば大発見となります。月面の水が大量に活用できるなら、高いコストをかけて地球から水を輸送する必要がなくなり、人類の月面基地開発・植民計画が大きく前進します。

ローバーの開発によって、JAXAは重力天体表面を探査する技術を獲得する見込みです。また着陸機本体はISROが開発しますが、これには2022年度に打ち上げられる予定の月面探査機SLIMのピンポイント技術を発展させた「航法誘導センサー」と「誘導アルゴリズム」をJAXA側が開発・提供します。

月極域探査機は、2023年度末頃にH3ロケットで打ち上げられる予定です。但しH3ロケット開発遅延に伴い、延期される可能性があります。

参考ページ

宇宙探査機

人工衛星

宇宙船

宇宙ステーション